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フランス語とアコーディオン

東川先生

昨日、助産師の東川千代貴先生が亡くなったと
友人からメールが入りました。

2人目の子の出産を東川先生の所でしたのが6年前。
その当時、東川先生は95歳だったと記憶している。
・・という事は101歳?

「100歳まで現役で働く」とその頃おっしゃっていたが、
本当に生涯現役だった先生。
今年の4月まで働いていたという。

本当にお疲れさまでした。

6年前、その息子を産む時に、本当に陣痛が辛かった時に
東川先生がやってきて、背中をずっとさすってくれました。
「これはきついのがきゆうねえ。」
そういってさすってくれた手の感触は
今も忘れません。

「痛かったら、痛いっていうてかまんきね。」

その言葉に、はっとしました。
母になるもの、陣痛が痛いなんて言ってはいけない。
母なんだから頑張らなければならない、強くなくてはいけない
って、勝手にそう思っていました。
東川先生の言葉で、ふっと体の力が抜けて
「痛いー、うーん痛いー」
っていう事が出来ました。そしたらすごく
気持ちが楽になって、(痛さは変わりませんが)
東川先生の手がやさしくて、
その時、まるで私が赤ちゃんになって東川先生の胎内に
いるような、不思議な感覚に襲われました。
陣痛で痛くてたまらないのに、涙が溢れて、
すごく満たされたような気持ちになったのです。

1人目を妊娠したときは、東川先生がたしか自転車で転んで
入院されてて、私は、とある産婦人科で出産したんでした。
その時は、
「ほらー頑張ってー!!あなたが頑張らなくて誰が産むんですか!!」
って、怒られながら産んだもので(笑)・・・
とにかく母親というのは、頑張らなきゃいけないし、
弱音を吐いちゃいけない!って、そう思っていました。

だから2人目を東川先生の所で産めた事、
本当に良かったって思っています。

不規則な時間に働かなければならない重労働なのに、
空いた時間、おむつや肌着にきれいにアイロンをかけていた先生。
それらは何年も使い込まれていて、それはそれは肌触りがよく
思わずホウズリしたくなったものでした。

そうそう、息子はへその緒を何重にも巻き付けていて
陣痛が始まっても、分娩台に上がってもまだ
骨盤の所へ降りてこず、
産婦人科だったら多分、帝王切開になっていたものと思われます。
それを自然分娩で産む事が出来たのも
東川先生のおかげです。

いつか息子の姿を見せに先生のところへ行こう行こう
・・・そう思っていながら行けてなかった。
後悔、先に立たず・・・です。

本当に心からのご冥福をお祈りしています。



by clopinclopant | 2012-07-23 00:41 | 日々

山本明日香       クロパン・クロポンという3人組でアコーディオン弾いてます。フランス語教えてます。時々事務員。二児の母。
by clopinclopant
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